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電解水素水は活性酸素を消去する
電解水素水は活性酸素を消去する能力があります。これを証明する方法として電子スピン共鳴法が知られています。
この方法では、例えば、ヒドロキシルラジカルという活性酸素は、特徴的な4本のピークから成るスペクトルで検出され、2番目のピークの高さが大きいほど活性酸素の量が多いことを意味します。(図5)
図5
このメカニズムとして、水中に溶け込んだナノ(超微小)サイズの水素分子クラスタ(集合体)は、活性酸素のヒドロキシルラジカルと反応して水に変換させる反応であると考えられます。
活性酸素は、目視できるほどの大きいサイズの単なる水素ガス気泡によって殆ど消去できません。しかし、水素分子クラスタから平衡反応で生じる水素原子すなわち活性水素が活性酸素と反応するという可能性が大きいと考えられます。今後、寿命が極端に短い活性水素の実在について、信頼ある科学的検証がなされるでしょう。
水に溶け込んだ水素がいかに豊富か
水素は、常温で常圧では、純粋な水に1.6ppm(1.6ミリグラム/リットル)くらいまで溶かし込むことが可能です。この溶存水素の濃度が高いほど活性酸素を消去する能力が大きいと言えます。
さらに、溶存水素濃度をいかに長時間、持続させるかという点が人体への効能の大小に直結します。
各種の整水器で作られた水について、溶存水素の濃度を比較しました。この結果、電気分解(電解)した陰極側の水をフロー(流水)式でなく、高圧プレス活性炭フィルタに水をストック(貯留)させて、溶存水素をじゅうぶんに吸蔵させる方式の整水器では、溶存水素が豊富なことが見い出されました。(図6)
図6
中性pHとアルカリの水素水の違い
アルカリ性の水素水と中性の水素水とどう違うでしょうか。ヒトの血液はほぼ中性pH(ペーハー)です。pH値の高いアルカリ、特にpH9~10以上の水を飲むと、その飲量や飲用期間によっては腎臓に負担がかかる場合があると考えられます。腎臓疾患の患者、および、腎臓機能が高くない高齢者や乳幼児には不向きと考えられます。
一方、アルカリ性の水は、飲むと胃の中の酸性度が低下し、胃から分泌される塩酸による殺菌力が弱まり、H.ピロリ菌など有害な細菌に感染しやすい状態になります。また同じく胃から分泌されるペプシンという消化酵素が、細菌の体を構成する主要成分タンパク質を分解する作用がアルカリによって弱まる可能性も指摘されています。
隔膜式の電気分解で調製されたいわゆるアルカリイオン整水は多くはpH9~10のかなり偏ったアルカリpHです。ただし電気分解方式に工夫を凝らしたノンセパレート(非隔膜式)では中性pH近辺の7.0〜7.4の電解水素水もあります。(図7)
図7
アルカリイオン整水器も整腸作用に優れる等の効能が見い出されており、効能の種類を見極めて使い分けることも必要と思われます。
一方、活性酸素を消去する効率の観点からは、溶存水素の豊富な水素水が優れています。活性酸素によって引き起こされる発がん・がん浸潤や転移への防御効果については、本シリーズの後半で詳述します。
これと同様に、活性酸素によって悪化する脳血管疾患・心臓血管疾患・糖尿病・アトピーなどについて、水素水の効能検証が基礎医学から臨床試験へと進捗すると考えられます。
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